はじめのいっぽ

自分の心と向き合う、はじめのいっぽ。

この季節の、この時間の、外の匂いはあの街と同じ。

いつも曇っていて、最後まで好きになれなかった街。

 

 

田舎のこの時間は人の気配なんてとっくに消えて、でも澄み切っているわけでもなく、昼間の太陽がまだ残った、土と草の濁った匂いがする。

 

田んぼ道の真ん中では点滅信号がぱかぱかと光っていて、虫の声とカエルの鳴き声がする。

 

 

なんとなく家に帰るのも嫌で、適当に車を走らせて、どっかのコンビニでふらふらしたりする。

 

こういう日のこういう夜は、いつ死んでもいいなと思う。

 

ネガティブでも悲観的でもない。

ただ生きるのに必要なことが面倒になるだけ。

 

誰とも繋がっていない、いてもいなくても何の影響もないこの街に、ふわふわ浮いている。